…おっと。
ぱちっ、と部屋の電気がついた。
そこに立っていたのは、険しい顔をした若い女。
…見たことのない顔だ。
「そこで何してるの?」
その女は、再度俺を睨むように尋ねた。
まさか、見咎められるとは。
想定外の事態だが、この程度で狼狽えるのは二流ですよ。
万が一、家探し中に誰かに見つかったらどう対応するか、ちゃんと考えてある。
俺は、何も疚しいことなんかないとばかりに、にっこりと微笑んだ。
「済みません、こんな夜中に…。喉が渇いたので、お水をもらおうと思って…。キッチンを探してたんですけど、場所が分からなくて」
すっとぼけ。
あらかじめ台詞を用意しておいて良かった。
「それで、こんなところに来るの?キッチンがこんなところにあるとでも?」
おっと。信じてない顔だな。
むしろ、更に疑いを強めたまである。
だが、「宝物庫の偵察に来ました」なんて正直に言う訳にはいかない。
ここは、しらばっくれることに徹する。
「そうなんですか?俺、今日この屋敷に来たばかりなので…よく分からなくて」
「…」
あくまで、「知らなかった」と主張する。
あまり詮索されても嬉しくないし、ここは強引でも、話を逸らすべきだろう。
「それより…あなたは?昼間は見ませんでしたけど…」
「…私は、メリーディア・カレル・カミーリア」
と、その女…メリーディアは名乗った。
…カミーリア、だと?
ってことは…この女が…。
「メリーディアさん…。もしかして、マリーフィアさんのお姉さんですか?」
「…そう」
やっぱり。
調査書に書いてあった、マリーフィアの唯一の姉妹…。
俺にとっては、小姑に当たる。
まさか、こんな真夜中に、宝物庫の入り口で出会うことになるとは。
「そうだったんですね。済みません、ご挨拶に伺おうと思っていたんですが…。こんなところで失礼します」
「…」
「お聞き及びとは思いますが、俺は妹さんのマリーフィアさんと結婚させていただきました、ルナニア・ファーシュバルと…」
「…嘘よ。あなたはルナニアじゃない」
…は。
…何を言うかと思ったら…。
「?どういう意味ですか?俺はルナニア…」
「違うでしょう。あなたには名前が3つある。ルナニア・ファーシュバル。ルシファー・ルド・ウィスタリア。そして…ルレイア・ティシェリー」
「…」
「どれが本当の名前なの?本当のあなたは何者?…何の為に、マリーフィアと結婚したの?」
…この女。
予想以上に切れ者だぞ。
どれが本当の俺か、って?
そんなの決まってるじゃないか。…考えるまでもない。
しかし、それをメリーディアに悟られる訳にはいかない。
「おかしなことを言いますね、お義姉さん…」
「あなたに姉と呼ばれる筋合いはないわ」
「分かりました、じゃあ、メリーディアさん」
俺も、他人を姉と呼ぶのは気持ち悪いですから。
名前で呼ばせてもらいますよ。
「俺はルナニアですよ。マリーフィアさんの夫…。ルナニア・ファーシュバル・カミーリアです」
まさか、俺がカミーリア姓を名乗ることになるとは。
自分で言ってて、蕁麻疹出そうになった。
ぱちっ、と部屋の電気がついた。
そこに立っていたのは、険しい顔をした若い女。
…見たことのない顔だ。
「そこで何してるの?」
その女は、再度俺を睨むように尋ねた。
まさか、見咎められるとは。
想定外の事態だが、この程度で狼狽えるのは二流ですよ。
万が一、家探し中に誰かに見つかったらどう対応するか、ちゃんと考えてある。
俺は、何も疚しいことなんかないとばかりに、にっこりと微笑んだ。
「済みません、こんな夜中に…。喉が渇いたので、お水をもらおうと思って…。キッチンを探してたんですけど、場所が分からなくて」
すっとぼけ。
あらかじめ台詞を用意しておいて良かった。
「それで、こんなところに来るの?キッチンがこんなところにあるとでも?」
おっと。信じてない顔だな。
むしろ、更に疑いを強めたまである。
だが、「宝物庫の偵察に来ました」なんて正直に言う訳にはいかない。
ここは、しらばっくれることに徹する。
「そうなんですか?俺、今日この屋敷に来たばかりなので…よく分からなくて」
「…」
あくまで、「知らなかった」と主張する。
あまり詮索されても嬉しくないし、ここは強引でも、話を逸らすべきだろう。
「それより…あなたは?昼間は見ませんでしたけど…」
「…私は、メリーディア・カレル・カミーリア」
と、その女…メリーディアは名乗った。
…カミーリア、だと?
ってことは…この女が…。
「メリーディアさん…。もしかして、マリーフィアさんのお姉さんですか?」
「…そう」
やっぱり。
調査書に書いてあった、マリーフィアの唯一の姉妹…。
俺にとっては、小姑に当たる。
まさか、こんな真夜中に、宝物庫の入り口で出会うことになるとは。
「そうだったんですね。済みません、ご挨拶に伺おうと思っていたんですが…。こんなところで失礼します」
「…」
「お聞き及びとは思いますが、俺は妹さんのマリーフィアさんと結婚させていただきました、ルナニア・ファーシュバルと…」
「…嘘よ。あなたはルナニアじゃない」
…は。
…何を言うかと思ったら…。
「?どういう意味ですか?俺はルナニア…」
「違うでしょう。あなたには名前が3つある。ルナニア・ファーシュバル。ルシファー・ルド・ウィスタリア。そして…ルレイア・ティシェリー」
「…」
「どれが本当の名前なの?本当のあなたは何者?…何の為に、マリーフィアと結婚したの?」
…この女。
予想以上に切れ者だぞ。
どれが本当の俺か、って?
そんなの決まってるじゃないか。…考えるまでもない。
しかし、それをメリーディアに悟られる訳にはいかない。
「おかしなことを言いますね、お義姉さん…」
「あなたに姉と呼ばれる筋合いはないわ」
「分かりました、じゃあ、メリーディアさん」
俺も、他人を姉と呼ぶのは気持ち悪いですから。
名前で呼ばせてもらいますよ。
「俺はルナニアですよ。マリーフィアさんの夫…。ルナニア・ファーシュバル・カミーリアです」
まさか、俺がカミーリア姓を名乗ることになるとは。
自分で言ってて、蕁麻疹出そうになった。


