深夜。
日付が変わり、屋敷中が寝静まるまで、俺はじっと自室で待っていた。
充分に待って、悪趣味なルビーの時計が深夜2時を指した時。
俺は、ようやく立ち上がった。
最小限の「小道具」をポケットの中に忍ばせ、音を立てないよう、そっと自室を出た。
俺が何の為にマリーフィアと結婚し、カミーリア家の屋敷に忍び込んだか、今一度思い出して欲しい。
俺はカミーリア家の宝物庫に忍び込み、『ローズ・ブルーダイヤ』を元の場所に返す為に来たのだ。
それさえ終われば、この忌々しい「新婚夫婦」を解消し。
すぐにでも『青薔薇連合会』に戻り、本物のフィアンセと、本物の結婚式を挙げることが出来る。
俺、この任務が終わったら結婚するんだ。ってね。
フラグじゃないんで。無事に帰りますよ、俺は。
その為には、時間を無駄にはしていられない。
今夜、すぐに宝物庫に忍び込むことは、さすがに出来ないが。
偵察の為にも、宝物庫周辺の警備状態を確認しておきたい。
屋敷の人間が皆寝静まった今がチャンスだ。
俺は何食わぬ顔をして、深夜のカミーリア家の屋敷を歩いた。
無駄にだだっ広いせいで、目的地である宝物庫…らしき場所を見つけるまでに、30分近くかかってしまった。
屋敷の中をぐるぐる歩き回って、やっと見つけた。
物々しい重厚な扉の奥に、「それ」はあった。
すぐにそうと分かった。
さながら、強固な銀行の金庫のようだ。
円形の扉は、いくつもの錠前と、何通りものダイヤル錠。
おまけに、生体認証パネルまでついている。
これらの全てをクリアしないと、宝物庫の中には入れない…と。
一応、小道具として、『青薔薇連合会』で日常的に使うピッキング道具一式は持ってきたんだが。
とてもじゃないけど、持参したピッキング道具では開きそうにないな。
鍵開けのプロ、ルリシヤがいたとしても、そう簡単には開けられないだろう。
カミーリア家の連中が、何故今に至るまで『ローズ・ブルーダイヤ』の盗難に気づいていないのか、ようやく分かった。
あいつらが、アホで間抜けなのは勿論のこと。
この強固な宝物庫の扉を、開けられる者がいるはずがない…と、たかを括っているからだろう。
実際に開けられてるんだから、滑稽な話だ。
問題は、この宝物庫にどうやって忍び込むか、だが…。
…その時だった。
「…そこで何してるの?」
暗闇の中で、背後から声がした。
日付が変わり、屋敷中が寝静まるまで、俺はじっと自室で待っていた。
充分に待って、悪趣味なルビーの時計が深夜2時を指した時。
俺は、ようやく立ち上がった。
最小限の「小道具」をポケットの中に忍ばせ、音を立てないよう、そっと自室を出た。
俺が何の為にマリーフィアと結婚し、カミーリア家の屋敷に忍び込んだか、今一度思い出して欲しい。
俺はカミーリア家の宝物庫に忍び込み、『ローズ・ブルーダイヤ』を元の場所に返す為に来たのだ。
それさえ終われば、この忌々しい「新婚夫婦」を解消し。
すぐにでも『青薔薇連合会』に戻り、本物のフィアンセと、本物の結婚式を挙げることが出来る。
俺、この任務が終わったら結婚するんだ。ってね。
フラグじゃないんで。無事に帰りますよ、俺は。
その為には、時間を無駄にはしていられない。
今夜、すぐに宝物庫に忍び込むことは、さすがに出来ないが。
偵察の為にも、宝物庫周辺の警備状態を確認しておきたい。
屋敷の人間が皆寝静まった今がチャンスだ。
俺は何食わぬ顔をして、深夜のカミーリア家の屋敷を歩いた。
無駄にだだっ広いせいで、目的地である宝物庫…らしき場所を見つけるまでに、30分近くかかってしまった。
屋敷の中をぐるぐる歩き回って、やっと見つけた。
物々しい重厚な扉の奥に、「それ」はあった。
すぐにそうと分かった。
さながら、強固な銀行の金庫のようだ。
円形の扉は、いくつもの錠前と、何通りものダイヤル錠。
おまけに、生体認証パネルまでついている。
これらの全てをクリアしないと、宝物庫の中には入れない…と。
一応、小道具として、『青薔薇連合会』で日常的に使うピッキング道具一式は持ってきたんだが。
とてもじゃないけど、持参したピッキング道具では開きそうにないな。
鍵開けのプロ、ルリシヤがいたとしても、そう簡単には開けられないだろう。
カミーリア家の連中が、何故今に至るまで『ローズ・ブルーダイヤ』の盗難に気づいていないのか、ようやく分かった。
あいつらが、アホで間抜けなのは勿論のこと。
この強固な宝物庫の扉を、開けられる者がいるはずがない…と、たかを括っているからだろう。
実際に開けられてるんだから、滑稽な話だ。
問題は、この宝物庫にどうやって忍び込むか、だが…。
…その時だった。
「…そこで何してるの?」
暗闇の中で、背後から声がした。


