The previous night of the world revolution8~F.D.~

…で、俺はアリューシャの執務室を訪ね。

呑気な顔して昼寝中だったアリューシャを、無理矢理叩き起こし。

寝惚け眼のアリューシャに、「俺に狙撃を教えてくれ」と頼んだのだ。

何で狙撃なのかと言うと、それはまぁ、色々と理由はあるが。

いつだって最前線に突っ込みたがるルレイアをサポートする為に、狙撃の技術があったら役に立つんじゃないかと思ったからだ。

折角身近に狙撃のプロがいるんだから、教えを請うのも悪くないだろう?

そう思って、アリューシャと一緒に狙撃場までやって来た訳だが…。

「…くっ…。また外した…」

俺、狙撃の才能無さ過ぎないか?

全然当たらないんだけど。

「ぶはは。ルル公下手っぴ〜」

「ぐっ…」

アリューシャに煽られるなんて、こんな屈辱があるか?

悔しいが、でもそれは俺の八つ当たりというものだ。

俺が下手くそなのが悪い。どう考えても。

「俺…やっぱり才能ないのかな…」

こうも外しまくると、自信なくすぞ。

アリューシャみたいに、ペットボトルのキャップを狙ってるんじゃないんだぞ。

もっと的は大きいのに、それでも当たらないなんて…。

…しかし、アリューシャは俺の弱気を一笑に付した。

「んなことはねーだろ。アリューシャが最初にライフル持った時は、今のルル公よりもっと酷かったぞ?」

「…そうなのか?」

「おぉ。アリューシャは元々、なーんの才能もなかったからなー。才能どころか名前もなかったぜ」

ついさっき、遠くのペットボトルキャップを射抜いた奴に、「才能ない」と言われてもな。

嫌味にしか聞こえないぞ。

「才能がないことはないだろ」

本当に才能のない奴が、『青薔薇連合会』の幹部になれるはずない。

「そうだな。ゴキブリの才能ならあったっけ」

「そういうことじゃなくてな…」

「まーアリューシャの場合、師匠が良かったからなー」

…師匠?

アリューシャの狙撃の師匠のことか。

そういえばアリューシャは、『青薔薇連合会』に来る前、別の組織にいたんだっけ…。

「その人に言われたんだよ。どんだけ時間かかっても良いから、一つのことを極めろってな」

「…だから、狙撃を極めたのか?」

「そ。アリューシャ馬鹿だからなー。一個のこと極めるので精一杯だよ。これがほんとの、馬鹿の一つ覚えってな」

ドヤ顔で言うんじゃない。

俺がアリューシャを「馬鹿」と罵るのは良いけど、アリューシャ自身が自分を馬鹿だと卑下するな。

「1億万回外したって良いんだよ。ここぞという、肝心な時に一発当てさえすればな」

という持論を展開して、アリューシャは自分のスナイパーライフルを構え。

遠くにある空き缶を、一瞬で、すこーん、と撃ち抜いた。

…お見事。

「分かった。ありがとうな、アリューシャ…。俺、もう少し頑張ってみるよ」

「おぉ。お礼はポテチ3袋で良いぞ」

ちゃっかりした奴だよ、お前は。