The previous night of the world revolution8~F.D.~

「こ…これの何処が魔除けなんですの?呪いのお面の間違いなんじゃありませんの」

箱庭帝国の名産品、不気味なお面にビビりまくるマリーフィア。

「とんでもない。むしろ、不気味であればあるほど良いんですよ。箱庭帝国では、病気や怪我をした人にお見舞いとして、このお面をプレゼントする風習があるんです」

「そ、それは…とどめを刺すという意味で…?」

具合の悪い時にこれを見たら、普通卒倒しますもんね。

箱庭帝国以外だったら、こんなものプレゼントされたら悪意以外の何物でもない。

しかし。

「まさか。わざとおどろおどろしいお面を渡して、病魔が気味悪がって逃げていくように、というおまじないなんです」

「あ、そ…。そういう意味なんですの…」

それを聞くと、ちょっと納得しますけど。

「わたくしは…もし病気になっても、これはもらいたくないですわ…」

マリーフィアの本音がぽろり。

分からなくもないですね。

じゃああなたがもし病気で寝込むことがあったら、箱庭帝国からこのお面を取り寄せることにします。

「ほ、他に…もっとマシなお土産はありませんの?ほら、あっちのお店とか…」

「あぁ。あのお店はお土産ではなく、飲食店ですよ。甘味処です」

マリーフィアが指差したお店を見て、ルアリスが説明した。

「まぁ、甘いもの?」

「行ってみますか?」

「えぇ。是非食べてみたいですわ」

とのこと。

じゃ、ちょっと休憩することにしましょうか。

…果たして箱庭帝国の甘味処が、マリーフィアの期待通りであれば良いのだが。

店内に入ると、ルアリスが注文し、俺とマリーフィアは先に客席に座った。

そのまましばらく待っていると、店員さんが、三人分のお椀とスプーンを持ってやって来た。

「お待たせしました」

「まぁ、美味しそ…。…って、これ、何ですの?」

甘いものと聞いて、期待していたに違いないマリーフィア。

お椀の中に入っている、白っぽいお汁粉みたいな食べ物を見て、ポカンとしていた。

マリーフィアのことだから、スイーツと言えば、ケーキやクッキーやプリンや、そういう砂糖とミルクとバターたっぷりの、リッチな洋菓子を期待していんだろう。

しかし、ここは箱庭帝国。

ルティス帝国の優雅なアフタヌーンティーのようには行きませんよ。

「どうぞ、食べてみてください」

ルアリスは俺達にそう勧めて、自分も率先してスプーンを手に取り、その白いお汁粉に口をつけた。

俺も、そんなルアリスに続いた。

…うん。想像していた通りの味だ。

「…」

一人遅れたマリーフィアは、先にお汁粉に口をつける俺とルアリスを、順番に見つめ。

自分だけ食べない訳にはいかないと思ったのか、意を決してスプーンを手に取った。

恐る恐る、スープを少しすくって、口に入れると。

「…うっ…」

「どうですか?マリーフィア殿」

「あ…甘い、ですわ…」

マリーフィアは顔をしかめて、俺の予想通りの反応をした。