The previous night of the world revolution8~F.D.~

ルヴィアさんの嫁がよく作るアレですよね。

お土産に買って帰ってあげたら喜びそう。

「これなんか、家内安全の魔除けのお守りになりますよ。一家に一体、是非」

「ひっ…。い、いいえ。わたくしは遠慮しておきますわ…」

マリーフィアは、ルアリスが勧めた魔除け藁人形を辞退した。

効果はルヴィアさん夫婦で実証済みなんですけどね。

「こんな気味の悪いのが、魔除けだなんて…」

つい本音が出てますよ。

そういうのは、本場の箱庭帝国人がいないところで言いましょう。

しかし、そういったことは言われ慣れているルアリス。

全く気を悪くした様子はなく。

「秘境の里の人々は、占いや占星術を生業としていたんです。今でも秘境の里の末裔は、占いが得意なんですよ」

「まぁ、占い?」

占いと聞いて、年頃の乙女らしく、ちょっと興味が出たらしいマリーフィア。

占いとは言っても、秘境の里の人々が生業としている占いは、マリーフィアの想像とは違うはずだ。

俺とルルシーとルリシヤが、かの悪名高き『ホワイト・ドリーム号』で洗脳旅行に行った時。

俺達の安否を確かめる為に、ルヴィアさん嫁に占ってもらったそうだが。

アイズやシュノさんの血の一滴で、遠く離れた俺達の生存が分かったとか。

最早、占いの域を越えている。

同居しているルヴィアさんは、もっと潤沢な「素材」のお陰で、更に精度の高い未来予知が可能だそうだ。

いやはや。占い師と言うよりは、まるで魔法使いですね。

「面白そうですわね。わたくしも占ってみて欲しいものですわ」

だが、そんな秘境の里の「占い師」の正体を知らないマリーフィアは、あくまで遊び半分だった。

良かったら、今度ルヴィアさん嫁を紹介しますよ。

そして、その占いの精度に戦慄すると良い。

「さっきの藁人形の他にも、箱庭帝国には面白いお土産がたくさんあって…」

「そうなんですの?…お花とか?クッキーとか?」

「いえ、お面です」

「お面…!?」

おっ、出た。

こちらも、箱庭帝国の特産品。

「例えば…。あ、ほら。このお土産屋さんにも売ってますよ」

「どれどれ…。きゃあっ!?」

マリーフィアの悲鳴、再び。

まぁ、気持ちは分かりますよ。

グロテスクな飾りの付いた、派手で不気味なお面が、壁にびっしりと掛けてある。

うーん。壮観。

夜中に見たら、悲鳴を上げること不可避。

「こ、こ、これは何なんですのっ?」

マリーフィアは俺の背中に隠れながら、不気味なお面を見つめて言った。

「怖がらなくて大丈夫ですよ。これも魔除けのお面ですから」

怖がるなと言われても、さすがに無理があるでしょう。

このグロお面と比べたら、般若のお面の方が、まだ可愛らしげがありますよ。