The previous night of the world revolution8~F.D.~

全く、クソ生意気な。

俺に黙って、勝手に繁殖しているとは。

「聞いてませんよ。何で黙ってたんです?」

「あ、いえ…それは、その…。生まれてしばらく経ってから、いずれ教えるつもりだったんですが…」

…何だ。その煮え切らない態度は。

ルアリス似の猿が一匹増えたんだろう?おめでたい話じゃないか。

「二人目の子も娘なので…。下手に教えたら、またルレイア殿に目をつけられるんじゃないかと心配で…」

「…何か言いました?」

「ひっ。い、いえ。何でもありません」

へぇ、そうですか。

俺を何だと思ってるんですかね。血に飢えた肉食獣だとでも思ってるんでしょうか。

その通りですよ。

しかし良いことを聞いた。ルアリスんところのガキ、二人目も女、か…。

「…ちなみにそのガキ、美人なんですか?」

「それはもう…親の贔屓目かもしれませんが、物凄く可愛くて…。…はっ!」

「へぇ、美人なんですか…。…それは将来が楽しみですね」

「…」

真っ青な顔で戦慄するルアリス。

ふっ、親馬鹿め。

肉食獣の前に、自ら子猫を放り投げるような真似をするからだ。

じゃあ、将来の俺のハーレム会員候補ということで。宜しく。

「…や、やっぱり言うんじゃなかった…」

「何か言いました?」

「いっ、いえ、何でも…」

…で、話を戻すとして。

ルアリスのところに、二人目のガキが出来たから。

育児の為に、定期的に家に帰りたいってことですか。

全く。国家の代表が率先してイクメンぶりを披露するとは。

今のルアリスの経済力なら、家政婦を頼むなりベビーシッターを雇うなり、金で解決出来る方法はいくらでもあるだろうに。

手間と時間をかけてでも、自分達の手で育てたいってことですか。ふーん。

箱庭帝国の未来は安泰ですね。

「猿なんて、放っておいても勝手に育つと思いますけど」

「…猿じゃありませんよ…。ちゃんと育てないと、親の義務ですからね」

それは俺に対する皮肉か?

まぁ、そういうことなら致し方ない。

俺は心の広い、優しい大人ですから。

「なら、付きっきりじゃなくても、夜になったら勝手に帰って良いですよ。昼間の間だけガイドしてもらえたら」 

「あ…ありがとうございます」

「それと、そのメス猿達がある程度成長したら、俺に紹介するということで」

「…」

ちょっと。何で黙るんですか。

しかも、そんな青ざめた顔して。失礼ですね。

冗談ですよ。…2割くらいはね。