The previous night of the world revolution8~F.D.~

案の定、ルアリスはそわそわしながら俺を待っていた。

「お待たせしました」

「あっ…。ルレイア殿…」

聞きたいことが山ほどあってうずうずしてる、って顔だな。

どうぞ。今なら隣にマリーフィアもいないし。

好きなことを質問してくださいよ。可能な限り正直に答えてあげます。

…と、思ったが。

「…聞きたいことはたくさんありますけど、きっと何か事情があるんですよね?」

細かい質問をする代わりに、ルアリスはそう尋ねた。

「えぇ。想像の通りです」

「そうですか…。…今でもルレイア殿は、相変わらずルルシー殿一筋なんですよね?」

「当たり前じゃないですか」

誰が隣にいたって、何処にいたって、俺の心にはいつだってルルシーがいる。

それは変わらない事実だ。

「…良かった。それを聞けて安心しました」

ルアリスは、心底ホッとしたように呟いた。

「聞かないんですか?何であんな小娘と結婚したのか、とか」

「それは…確かに気になりますけど…。俺が聞いても良いことなんですか?」

さぁ。それはどうでしょうね。

「ルレイア殿。あなたはこの箱庭帝国を救う為に力を尽くしてくださった。その恩を、俺は忘れていません」

「そうですか」

「あなたに恩返し出来るなら、俺はどんなことでもします。あなたが助けを求めているなら手を貸します。詳しい事情は聞きません」

…へぇ。

随分と律儀な「忠犬」ぶりじゃないか。

「だから、俺に出来ることを何でも言ってください」

…話が早くて助かりますよ。

「あなたにして欲しいことは一つ。俺とマリーフィアの新婚旅行の専属ガイドを務めて欲しいだけです」

「…それだけで良いんですか?」

「えぇ。一週間、付きっきりでね」

「…付きっきりですか…」

露骨に表情が曇るルアリス。

ほう。何か不満なのか?

「何か思うところでも?」

「あ、いえ…」

「成程。丸々一週間も俺に付き合うのは御免だ、と言いたい訳ですね?」

さっきまで殊勝な態度だった癖に、突然、随分と生意気なこと言うじゃないか。

…思い知らせてやりましょうか?

「ち、違います。そうではなく…その、一週間付きっきりだと…家に帰れないのが…ちょっと…」

…家?

「…あぁ。嫁や愛人とイチャイチャ出来ないのが不満ってことですか。ちょっと前まで童貞だった癖に、クソ生意気な…」

「あっ…。愛人なんていません。そうじゃなくて…その、子供が…」

子供?

「えぇと…。ルレイア殿にはまだ言ってませんでしたが、実はこの度…二人目の子供が生まれて…」

もじもじしながら、ルアリスがそう打ち明けた。

男のもじもじなんて、気持ち悪いにも程がある。普通に言え。

しかし、それは興味深いことを聞いた。

…初耳ですよ。