「……帰るぞ」 身体を離した藍くんが、わたしの頭に手をぽんと置く。 うんと頷き、わたしも歩き出そうとして、そこで左の足首に鈍い痛みが走った。 さっき、逃げている途中で足を挫いたことを忘れていた。 「痛……」 思わずしゃがみ込むと、それに気づいた藍くんが腰を曲げて屈んでくる。 「どうした?」 「さっき足を挫いちゃったみたいで……」