ぎゅうっと温もりを身体いっぱいに感じるように彼の腕に包まれたあと、ゆっくり身体が離れ、こちらを見下ろす藍くんと至近距離で視線が絡み合う。 ――キスの合図だ。 あっと思った時にはもう唇を奪われ、わたしはキスの波に溺れていく。 「口、開けて」 「ん……ぁ」 唇をむりやりこじ開けられたかと思うと、生温かい熱とともに抗えないほどの快感の波にさらわれた。 入り込んできた熱にかき乱され、目の前がちかちかする。 ぞくぞくっと背筋を走り抜ける甘い疼き。 頭の芯がじんじんする。