チアリーディングの部活に向かう瑛茉ちゃんをお見送りしてから来たため、少し遅くなってしまったのだ。 「ご、ごめん」 慌てて頭を下げたその時。 ふわりと甘い香りに包み込まれていた。 「由瑠不足で死にそうだった」 まるで脱力するような声が鼓膜を揺らし、わたしは強く抱きすくめられたまま目をぱちくりと瞬かせた。 「藍、くん……?」