飛行機の飛行音と重なりながら、藍くんがなめらかに形のいい唇を動かし魅惑の言葉を口にする。 「フェロモンを抑制できないなら、フェロモンが暴走しないように由瑠の身体の欲を発散させてやればいいってことだろ」 自分のごくりと唾を飲む音が、耳を、身体を揺らす。 「そんなこと……っ」 そんなこと、藍くんにさせられない。 だって、藍くんになんのメリットもない。 けれど、藍くんは唇の端を持ち上げて、憎らしいほど綺麗に笑う。 「欲を発散するために俺を利用すればいいじゃん、由瑠」 「っ……」