【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない


藍くんを見下ろしながら、密さんがさっきの続きを小さな声で繋げた。


「体育の時間、バスケしてたら倒れちゃって。多分相当無理してたんだと思う」

「どうして……」


掠れた声でそう呻くと、密さんは伏せた睫毛をさらに深く伏せる。


「これをキミに話していいか、オレもわかんないんだ。……キミには少し酷な話だから」


え……?


密さんの言う、その言葉の意図がうまくわからなかった。

けれど多分とても重要なことなんだと、直感的にそう思った。


「教えてください、お願いします」


真摯な決意を声に乗せる。


例え心が傷ついたとしても、聞かなければいけない気がした。