「あ、あいく、ん……っ」 助けを求めるように息も絶え絶えにその名を呼ぶと、異変を察した藍くんが勢いよく扉を開けた。 「由瑠……っ?」 と、室内に飛び込んだ藍くんは口元を腕で覆う。 「この匂い……フェロモンが覚醒したのか?」 「え……?」 にわかには信じられなかった。 まさか自分がフェロモンを発しているなんて。