我ながら馬鹿だと、思う


たぶん。拾ったのは高校生


だって・・・


『きみ、高校生?』


そう聞いた途端肩を震わせた彼は首を傾げた


『僕、のこと、知ら、ない?』


薄く笑う顔に見覚えがあるはずもなく


『え、初対面なんだけど』


南の街の高校生の知り合い・・・と巡らせたところで、こっちが首を傾げたいくらいだった


『ん〜。このまま放っておけないな。誰か他に知り合い、とか』


『いな、い』


看護師としても高熱の彼を放ってはおけなかった


まともに歩けない彼に肩を貸してアパートまで連れて来ただけでヘトヘト


寝室のベッドに寝かせたまでは良かったけれど

真っ直ぐ寝たらシングルベッドから足が出るほど大きな彼は


オデコに冷却剤を貼った途端、寝息を立て始めた


「・・・フゥ」


寝室の扉を閉めて目が覚めた時に飲ませるための鎮痛剤を探す


「・・・あった」


ポーチの中から取り出してテーブルに置くと簡単な晩御飯を作ることにした


ついでに彼の卵粥も用意して寝室を覗く


規則的に上下する胸を確認して扉を閉めると、先にご飯を食べることにした


「ごちそうさまでした」


親子丼を完食して洗い物を済ませると、もう一度寝室を覗く


薄ら目が開いていることを確認して部屋に入った