「行ってきまーす」


重たいドアを開ける。晴れてるはずの空は、まるで曇っているように見えた。


「……紗良」



「え……どうしたの蓮」



いつもなら花蓮ちゃんともう登校してる時間に、なぜかここに蓮がいる。


なんだか不機嫌ぽい……?


「あのさ、俺付き合ってない」


「はい?」


なにを言うのかと思えば、花蓮ちゃんとの恋愛報告?


一気に萎んでいく私の心。相談にでも乗って欲しいのかな。


悪いけど私、そこまで心広くないよ……。