半径3cm未満に(2)

みつりと再会したのは、俺が高校2年生になったときだった。

たまたまみつりの入学した高校と俺の行っていた高校が同じだったのだ。

購売でうっかりお金をおとしてしまったとき、拾ってくれたのがみつりだった。

『…穂貴…?』『…みつり…?』

ここから、すべてがはじまった。

俺とみつりは連絡先を交換し、互いの家庭内の様子を聞きあった。

そこで、みつりも大変なことを知った。

『私、医者目指してるの。
傷ついている人たちを治療したくて。穂貴は?』

『俺?俺は、特に“これ”っていうものが決まってないからなぁ…。』

みつりは変わらず頭も性格も良く、運動だってできる。

しかも、かわいい。

兄である俺でさえかわいいと思った。