半径3cm未満に（2）

先生の言葉で思い出して、ソファからおりた瞬間。

どさっ。

「いったいっ…。」

「ちょっ…日向さんっ!?」

私は膝から床に倒れこんでしまった。

バタバタと走ってこちらに来てくれた先生はすぐに私のおでこに手をあてる。

「ふえっ…?」

突然の出来事に視線をあげて先生を見つめてしまった私。

「日向さんさぁ…そんな顔するからキスされるんだよ?」

「え…それってどういう…」

先生はさっと立ち上がった。

「じゃあハンバーグ作るからもう倒れないでよ?｣

そして何かを持って戻って来た。

「その前に｣

それを私のおでこにそっと貼った。

「ん…?」

「冷えピタ。前、日向さんが熱出したとき持ってなかったから買っといたんだよ。」

「…ほんと、ごめんなさい…。色々めいわくかけちゃって…。」

思わずうつむいてしまった私に、先生は私の頬に手をあてた。