半径3cm未満に(2)

もっと力があれば、こんな目にはあわなかったはずなのに。

まだ先生のこと好きだったら、こんな気持ちにはならなかったはずなのに…。

「日向さん…帰ったら、俺がハンバーグ作るからね。」

「ありがとう…。
ひっく…でも私、食欲ないからまた今度…」

「だーめ。俺のハンバーグ食べたらきっと元気出るから…ね?」

私はしゃくりあげながらうなずいた。

「素直でよろしい。」

先生の言葉に、私は笑えなかった。

でも。

「せんせ…。
迎えに来てくれて…ありがと…ひっく…。」

私がそう言うと、先生は小さく微笑んだ。