半径3cm未満に(2)

その日の昼休み。

『先生ー星川先生ー』

『あ、恒成。ごめんね、呼び出して』

「いえいえー。何ですか?うち、何かしましたっけ?』

『ああ、あのさ、最近、日向の机の中に恒成の字の手紙が入ってるみたいなんだけど』

そう言った瞬間、恒成の表情がかたまった。

『何でそれを知ってるんですか?』

『日向に聞いた。あいつ泣いてたよ。
あやまった方がいいんじゃない?』

『はあ…?先生に何がわかるって言うんですか?
うちらの過去も何も知らないくせに。』

恒成は長い髪を耳にかけ、廊下に出て行った。

『おいっ。ちょっと待て!』

無理やり恒成をひき止め、俺も廊下に出た。

『今日の放課後、空き教室来て。4組の隣の』

『何でですか?』

『日向と話し合ってほしい。』

俺は真剣に恒成を見つめた。

『 …はぁ。わかりました。』

すると恒成は4組に戻って行った。