目が覚めたのはそう気づいてからすぐだった。
「あ、おはよう。
まだ着いてないけど寝ないでいい?」
「あ…うん」
「何か聞きたい歌とかある?流そうか」
先生が私に気を遣ってくれてるのが伝わってきた。
「いや…やっぱ寝る」
「そっか、じゃあ着いたら起こすからね」
「…はい」
素っ気なくそう答えたけど寝る気も起きなくてぼーっと真っ暗な窓の外を眺める。
「…なに、寝れないの?」
「今から寝るの!」
「はいはい、おやすみ。」
ほっと軽く息を吐いて目を閉じる。
でも、家に着くまで15分、ねることはできなかった。

