半径3cm未満に(2)




目が覚めたのはそう気づいてからすぐだった。

「あ、おはよう。
まだ着いてないけど寝ないでいい?」

「あ…うん」

「何か聞きたい歌とかある?流そうか」

先生が私に気を遣ってくれてるのが伝わってきた。

「いや…やっぱ寝る」

「そっか、じゃあ着いたら起こすからね」

「…はい」

素っ気なくそう答えたけど寝る気も起きなくてぼーっと真っ暗な窓の外を眺める。

「…なに、寝れないの?」

「今から寝るの!」

「はいはい、おやすみ。」

ほっと軽く息を吐いて目を閉じる。



でも、家に着くまで15分、ねることはできなかった。