しばらくの沈黙のあと、口を開いたのは先生だった。

「…しんどいんでしょ。
寝ときなよ。着いたら起こすから。」

「…うん…」

頷いて目をつむると静かに涙がこぼれた。

今1番泣いている姿を見られたくない相手に、見られてしまう悔しさのせいで余計に泣いてしまう。

「…せんせ」

「どうした?」

「…私、このままでいいのかな…」

このまま、先生の事も信じれないようなままで、私は生きていけるのだろうか。

「…今は、何も考えなくていいよ。
頭空っぽにして、これからのことも、これまでのことも考えないでいればいい。」

先生はそのことをわかってるのかは分からない。

でも、そう言ってくれたのは少し嬉しかった。