溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

なるべく冷静を装っていたけど心臓がバクバクと早鐘を打っているし体中熱い。


はたして、こんな状況で耐えられる男がいるんだろうか。


いや、無理だろう。


だが、俺は彼女の執事だ。主人に手を出すなんてあってはならない。


「まだ眠いの」


うっすらと目を開けて小さくあくびをするしぐさが可憐で。


クソっ、なんなんだこの可愛らしさは。


それしてもまだとても眠そうだな。


「そ、そうですか。それならもう少しだけ……」


「ん……寒い」


「すみません」


急いで彼女の身体に布団をかける。


「紫音、ありがとう」


気持ちよさそうに俺の布団を抱きしめてお礼を言うしぐさにぼんやりと見惚れてしまう。


「……ツ」


しかし、ハタと我に返る。


いやいや、そうじゃないだろ。今はもっと強く叱らないといけないんだった。