[side 紫音 お嬢様に甘いおしおきを] 


その夜は掃除洗濯、食器の後片付け等を終わらせてから倒れるように眠ってしまったようだ。


いつもなら、若葉お嬢様が眠るのを確認するまでが1日の仕事の終わりのはずだけど、それすら出来なかった。


初めてお嬢様の入浴の手伝いをしたら、自分でも信じられないくらいドッと疲れてしまったようだ。


ただでさえ、あやうい2人きりの生活なのにあんな距離感をバグらせるようなことをして。


俺はとてもじゃないが平常心ではいられなかった。


焼き切れそうな理性をなんとか保つのが精一杯。


ああ、これからどんな顔をして彼女に会えばいいんだか。


そんなことがあったからか、子供の頃の出来事を夢に見た。


昔に戻ったような不思議な気分だ。


それはとても心地の良い、甘い夢の数々。