溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

「お嬢様のためなら、いくらでも下げます」


「執事として?」


「いえ、違います」


「彼女のためならプライドも捨てるのか?」


尋ねられた紫音は顔を上げてちょっとだけ私に視線を向ける。


「はい。
彼女より大切なものなんて他になにもありませんから」


「ふんっ、
俺にはそこまで出来ない」


天堂さんはどこか寂しそうにそう言って、表彰台から降りた。


「ああ、あとこれだけ言っておくよ。
君が下手くそな変装をして彼女をストーカーしていたことはちゃんと気づいてたから」


「はぁ……ストーカーって」


紫音が嫌そうに顔を顰める。


天堂さんは私達に背を向けて歩きだしたから、慌ててあとを追いかけようとしたら立ち止まってくれた。


「天堂さん、ごめんなさい私」