溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

そして、遠慮がちに私の頬に触れて寂しそうに呟く。


「大好きだよ、若葉」


ああ、やっぱりこれは夢。


だって現実じゃありえないもん。


翌朝、起きると私はちゃんとベッドで眠っていた。


「え?あれ、どうして」


確か、勉強机の椅子に座ってそのまま寝ちゃったはず。


それなのに、どうして?


寝ぼけながら無意識に移動したって考えるのが普通かな。


でも、ひとつの可能性に口元が綻んだ。


もし、私が自力でベッドに入ったんじゃなければ考えられるのはひとつだけ。


そう思ったら、たちまち幸福な気持ちに包まれてぎゅっと目をつぶった。


ああ、もう飛び上がりたいほど嬉しい気分。


もしかしたらって。


だけど、その高揚はそっと胸にしまって朝の支度を始めた。