溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

「もしかしてまた泣いてらしたんですか?」


心配そうにのぞき込まれた。


「ごめん」


「いえ、謝らなくてもいいですけど」


「もうあんな薄情男のことなんて忘れた方がいいです。
今頃は金髪美女をはべらせて楽しんでいますよ。
だから、あんな男のために泣かないで。
って、お嬢様、大丈夫ですか?」


薫さんは意地悪で言ってるわけじゃなくて、慰めてくれようとしてるのはわかってる。


わかってるけど、ついつい想像してしまいますます悲しくなる。


それでも、精一杯笑って答えた。


「うぅ……そうだね。
紫音、女の子にモテるもんね。
私のことなんてすぐにどうでもよくなるんだろうな」


自分で言っておいて、ますます辛くなって涙がでてくる。


たぶん泣き笑いの変な顔をしている気がする。


「ああ、ごめんなさい。
私、人を慰めるとか苦手なんです。
まいったな、ほんとに紫音の言う通りだわ」