溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

一体どうして突然こんなことになってしまったのか、思いあたることがあって苦しかった。


きっと、彼は私のために執事を辞めて二度と会わないつもりなんだ。


私と天堂さんの結婚を実現させるために、出て行ってしまったに違いない。


私に言えば反対されると思ったのかもしれないな。


彼は結婚の条件をどこから知ったんだろう、もしかしたら私たちの会話が部屋の外まで聞こえていたんだろうか。


そうとも知らずに私はただ泣いてばかりでなんにもできないでいた。


彼はそんな私を助けるつもりで自主的に行動に出た。


きっと私が彼を追い詰めたんだ。


「紫音」


大好きな彼を呼んでも答える声はない。


今、どこにいるの?
彼のお母さんは再婚してヨーロッパで暮らしているとだけ聞いたことがある。


そんな遠くじゃ、すぐに会いに行けないよ。