朝目が覚めて、俺がいなかったらたぶん優しい彼女はまた泣いてしまうだろう。


「ごめん」


もうなるべく泣かないでほしい。いつもそう願っていた。
それなのに。


「約束守れなくて、ごめん」


決して1人で泣かないでって言っておいて俺は。


「ふがいない執事で、ごめん」


俺は立ち去ることでしかキミを守れない。


なんにも出来ない情けないただのガキ。


胸が締め付けられるように苦しくてたまらない。


最後だから、告白してもいいかな。


起きてる時だったら絶対出来ないけど。


愛しい彼女の頬にそっと触れる。


顔を近づけて、思いを込めて呟いた。


俺の気持ちはキミに届かなくても構わない。


「大好きだよ、若葉」