溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

お嬢様の幸せのためなら、俺個人の感情なんて消してしまえばいい。


いや、感情だけじゃなく。


俺自身も、彼女の前から消えなくてはいけない。


天堂との結婚が正式に決まれば、お嬢様は俺がいなくとも、いや俺がいない方が幸せになれる。


これが彼女の執事としての俺の出した最善の決断。


朝が来るまでに、この邸を出ていこう。


お嬢様は泣き疲れてそのまま眠ってしまったようだからその間に。


それから俺は明け方まで様々な準備に追われた。



部屋の片づけや、掃除、当分の間の食事の準備をして冷凍庫に保存。


ある所へ連絡をして早朝に会う約束を取り付ける。


自分の服や教科書等を大型の旅行鞄に詰め込んだ。


その他にも思い浮かぶ限りの作業。


結局一睡もすることなく朝の5時を迎えた。


最後に、退職願いを書くときはさすがに手が震えて……。