溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

さっきとは打って変わって、真剣な声。


「懐に、か……。
お前にも?」


「うん、僕はとてもよくしていただいてる。幼い頃から一緒だから兄弟みたいだとさえ言ってくれるよ。
でなければ、僕だってこんなに庇ったりしない」


「……そうか」


沢田の言ってることは嘘には聞こえなかった。


沢田の忠誠心を見れば、天堂との暖かい関係が容易に想像できた。


天堂は俺にとっては嫌いな奴、だけど最低最悪な奴ってわけじゃないみたいだ。


「わかった。また連絡する」


「え、ちょっと待ってまだ話は終わってないよ。
だいたい君がもっと光弦様に敬意をはらってくれたらこんなにこじれなかったのに」


「その話はまた今度な」


電話の向こうではまだグチグチと俺への文句を言っていたけど、構っている余裕もないのでそこで電話を切った。


それにしても、事態は俺の想像していたよりも何倍も厄介なことになっていた。