溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

グスッと鼻をすする音がしたから、びっくりして問いかける。


「え、おまえ泣いてるのか?」


「うるさい、うるさい」


「……」


「君がただの執事だったら坊ちゃんは苦労なんてしないよ。
うちのクラスの女子もみーんな君に夢中じゃないか。
そのくせ、簡単に振っちゃうし。この女たらし」


「……」


興奮しているせいかちょっと話がそれている気がする。


「どうせ若葉お嬢様と付き合ってるんだろ?いっつもラブラブオーラだしまくってるじゃないか」


「いやそれはない
おまえ、ちょっと落ち着けよ」


なに言ってんだこいつは。


はたから見たら、お嬢様と俺は仲良く見えるかもしれないが、あくまでも彼女にとって俺は執事であり兄貴みたいなもの。


両親が近くにいない今は保護者のような存在に思われているのかもしれない。


付き合ってなんていないし完全に沢田の誤解だ。