溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

頭を金づちでガツンとぶん殴られたみたいな気分で一瞬眩暈がした。


「おい待て、あいつのどこが可哀そうなんだ」


そんな鬼みたいな条件を出すなんて。


いや、まあそうか。わからなくもないが。


俺はあいつに毛嫌いされてるし、俺のお嬢様への気持ちにも気づいているのだとしたら。


そんな執事を彼女のそばに置いておきたくないんだろう。


だけど、それっておかしくないか。納得できない。


「俺はただの執事だ。あいつは御曹司だろ。どうしたって俺がかなうわけない。
だいたい、執事がお嬢様に手を出すわけないだろ」


だからあいつの嫉妬の対象にされるのは理不尽きわまりない。


「違うよ、紫音。坊ちゃんは口には出さないが君にだけはかなわないと思ってる。成績も容姿も人望も、君だから嫌なんだよ。
この上、好きな女の子まで君にとられると思ったらやりきれないんだよ」