溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

だけど、言ったそばから急に恥ずかしくなってきて焦って早口に付け加えた。


「でも紫音が忘れたいなら忘れてくれていいからね」


よく考えてみたら、紫音にとってはただの迷惑でしかなかったのかなって、


もしそう思われていたら悲しいけど。


勇気を出して打ち明けてみたけど、返事がなくてちょっと心細くなってきた。


どうして、なんにも言ってくれないのかな。


やっぱり彼にとっては迷惑以外のなにものでもなかったの?


私はたまたま唇が触れ合うだけの事故だったとしても、少しも嫌って気持ちはなかった。


むしろ……今思えばそうなることを望んでいたのかもしれないとさえおもう。


あれ、おかしいな。もしかしたら彼はもうこの部屋にいないのかな?


だって、彼が無視するなんてことは滅多に無いはずだもん。