[これってキス?]


「お嬢様、ゆっくりでいいですから。自分のペースで無理をせずやってください」


「うん、大丈夫」


泡のついたスポンジでお皿をこすり洗いしてから冷たい水で流す。


こういう単純作業は結構好きかも。


心配そうに声をかけてくれる紫音に笑みを返してから再び洗い物を続ける


いつものように彼と一緒に自宅に戻って晩御飯をいただいた。


紫音が私の大好きなオムライスを作ってくれて、ほっぺが落ちそうなくらい美味しかった。


料理の腕前がぐんぐん上がっている気がする。


やっぱり彼は何をやっても完璧。


その後、一階のキッチンで食器洗いをしていたら彼が横に立って私の手元をのぞきこんでくる。


「冷えるので、ちゃんと湯を使ってください」 


水で洗っていたら、蛇口のレバーをお湯に切り替えられたので慌てて元にもどす。