溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

もう一度ペコッと頭を下げて立ち去ろうとしたら、沢田さんに「お待ち下さい」と引き止められた。


「光弦様からの花束をお受け取りください」


いけない、花束のことをすっかり忘れていた。


「あ、はい、ありがとうございます」


「光弦様のこと、何卒よろしくお願いします」


よろしくって、どういう意味かな。


「はぁ……」


正直それどころじゃなくて一刻も早く1人になりたかったから、すんなり受け取った。


もうジョギングをする気力も無くなってノロノロと校舎へ向かって歩いた。


さっきの沢田さんから聞いた紫音の話で頭がいっぱい。


最近の紫音のことを私なりに注意深く思い出してみょう。


出来るだけ、詳細に……。


紫音は……。


我が家のことを見捨てないでいてくれた。


使用人さん達がいなくなってからは、家事のほとんどをこなしてくれて。