溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

「お嬢様、大丈夫ですか?」


「はい」


「危ないっ」


ボールが飛んでくるのがわかっていても、すぐには反応できない。


「あっ……」


相手の攻撃から私を守るため、彼の逞しい腕の中に抱きしめられた時には心の中でキャーと叫んでしまった。


「大丈夫ですか?」


「は、はい」


あれ、なんだかいろんな意味で刺激が強くてエキサイティング。


彼の息遣いを耳元で感じるくらい近い。


「お嬢様?しっかりしてください。フラフラしてます」


「はあっ、はぃ、あっ」


そんなこんなで早々と頭も身体も限界になった私はなんでもないところでつまづいてしまい。


ガツッ。


体育館の冷たい床に盛大に転んでしまった。


「お、お嬢さま」


「はあはあ、も、だめ、むりぃ」


息もあがって情けない声をだした私に無情にも理事長先生はこう告げる。


「はい、若葉さん、アウト。
主人は床に膝をついた時点で即アウトなのよ」


「へ、そんなぁ」


「それが、執事ドッジのルールよ。はじめに説明したでしょ?」


うぅ、すっかり忘れていました。