溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

優しく笑いかけてくれたから、胸の奥がキュンと鳴ったような気がした。


あれ、今の感覚、なんだろう。


頭の芯がぼんやりしてて不思議な気持ち。


無意識にそのまま彼の手を引き寄せていた。


そして……目を閉じて。


「えっ、あの、若葉お嬢様
どうかされましたか?」


紫音の困惑したような声。


「……っ」


目を開けると、いつのまにか私は彼の右手を自分の唇に押し当てて……つまりキスをしていた。


「あ、ちがうの、これは、違うから」


手に直接じゃ無い、リボンにあたってたからギリギリセーフ。


いやアウトでしょ、まずいよっ。


「いまのは、パワーを注入したの、頑張れますようにって。だって私たち協力しなきゃいけないパートナーでしょ。
だから……
ただそれだけだよ」


なんて苦しい言い訳。


「……」


彼は目を見開きしばし微動だにしない。