溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

その長いリボンで彼の右手をグーの状態で固定するようにしばってあげた。


「うん、これで大丈夫」


「でも、お嬢様のリボンを汚したくないです」


「いいよ、そんなの。それよりこうしておけば右手は使えないでしょ?
間違えて使うことも無いと思うから」


そう言ってニコッと笑いかけると、動揺したように瞳を揺らす執事。


「もったいないです、俺のために。
でも、ちょっと力が湧いてきました。
左しか投げられないけどお嬢様のことは最後まで守り抜きますから」


さっきは理不尽なハンデをつけられたことにイライラしていたけど、今は口元が綻んでいた。


よかった……切り替えてくれて。


「紫音……」


私でも彼の力になれることがあるんだって思ったら嬉しくなっちゃう。


「頑張ろうね」


私のリボンを巻き付けた彼の右手をギュッて握りしめた。


「はい」