溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

「納得いかない……けど」


とはいえ、執事達は仲間だし仕事のためを思えば孤立するわけにもいかない。


彼もそれがわかっているから我を通すことはできない様子。


「仕方ないよ。多数決で決まったんなら。ここは我慢しよ」


ちょっと気の毒だけど、ことを荒立てるのもよくない気がした。


それに冷静な紫音も勝負となれば、なぜか熱くなってしまうところがあるので、そこはしっかり手綱を握ってあげないと。


「でも、左手でしか投げられないのは流石にきついな。
咄嗟に右を使いたくなるから。右で投げたら即アウトにされるし、くそっ」


自分の右手を見つめながら眉間に皺を寄せて呟く。


「あ、じゃあ。こうしょう」


私はポニーテールを結んでいた白色のリボンをはずした。


髪がパサっと溢れ落ちてきたから、運動するには邪魔になるけどまあいいやって思った。


「紫音、右手を出して。こうやって握って、そうそう」