溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

「俺が倒れたりするかよ」


「そういう奴に限って……あ……」


その瞬間、私と目があって気まずそうに口を噤む薫さん。


そして彼女は、一歩後ろに下がり紫音と少し距離をとったような気がした。


「睨まない、睨まない」


「え?」


「いま、怖い顔してたよー若葉」


「え、うそっ」


晶ちゃんにそう言われて、ようやく気がついた。


確かに私今、顔がひきつってる気がする。


ごめんなさい、薫さんっ……って心の中でそっと謝る。


恥ずかしくなって顔を両手で隠すけど。


もう、手遅れかな……。


どうしたんだろう、私、変だよ。


こんな私、紫音にも誰にも知られたくないな。