溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

じゃあこの花束って、天堂さんから私へ贈られたものってことかな。


「どうして花束なんか」


「さあ、どうせなら食えるものが良かったですが」


冷ややかにそう言った彼を横から見ていた晶ちゃんは小さくため息をついた。


「意外と女心がわからないのね、紫音さん」


「そうだよ。女の子はお花に癒されるものなんだよ」


私も晶ちゃんと同意見。


「俺は男ですから、女性の気持ちなんてわかりかねます」


でも紫音ときたら珍しく投げやりな言い方をするから、びっくりして晶ちゃんと顔を見合わせる。


「……」


彼は眉間に微かに皺を寄せていて、あきらかに不機嫌。


「あ、じゃあ教室に飾ってもらおうかな。花瓶にいけてきてもらえる?」


このままだと、本当に捨てられてしまいそうな雰囲気だったから慌てて提案してみた。