溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

「そ、そうなんだ」


そういうことなら仕方ないか。


でも、彼の顔を見たら確かめたいことがいくつも浮かんできて急に胸の奥がきゅうっと締め付けられる。


バイト先で何か変わったことはあった?
パーティーのお客様にしつこく話しかけられたりする?
昨夜のカラオケには女の子もいた?


余計な質問が喉まで出かかっていたけど必死で堪えた。


我慢しなきゃ、執事にだって、プライベートは大事だもん。


「じゃあ、俺はこれで。
何かあったら携帯に連絡してください」


「うん」


彼は踵を返して早足で歩きだした。


「あ、待って紫音」


「はい」


一生懸命、聞きたいことを我慢していたけど、やっぱりどうしても知りたい気持ちに勝てそうにない。  


最近、一緒にいられる時間が以前よりも少し減ったせいかな、忙しそうな彼とかすかに距離ができたような気がしてて。


でもそんな風に思うのは私のわがまま。


なにか重く感じさせないような質問を必死で考えた。


「あの。。。バイトって、たっ、楽しい?」


「え」


「私といるよりも……ううん、なんでもない」


振り返った彼の心配そうな顔。


うわー、私のバカバカ、いま変なこと言っちゃった。