溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

直後にゴホゴホと咳き込んでしまう。


よっぽど慌てて走ってきたのかな。


「大丈夫?」


急いで彼の背中をさすった。


「はい、すみません。それより間に合ってよかった」


「何を?」


「お嬢様が誘拐されそうだと聞いて急いできたんですが」


彼はハーって深く息を吐き私の両肩に手を置いた。


「ご無事でなによりです」


「……」


あまりの誤解にまばたきを繰り返した。


「ええっ、誘拐だなんてまさかっ、誰がそんな大袈裟なことを?」


「大袈裟じゃないよー、ほんとに危なかったんだから」


すかさず割って入ってきた晶ちゃんは、紫音にさっきのことを話しだした。


「若葉ったら他人を疑うことを知らないんだから、危なかっかしくてヒヤヒヤするよ」


「まったくです」


紫音は晶ちゃんに深く同意して、それから私をまっすぐに見つめる。