溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く

実をいうとこんなことでわざわざ紫音を呼び出すのは悪いかなって思ったので
晶ちゃんが機転をきかせてくれたおかげで助かった。


「若葉お嬢様っっ」


すると、大きな声とほぼ同時に教室の後ろの扉が勢いよく開いた。


振り返ると紫音のスラッとした身体が至近距離にありびっくりした。


ぶつかりそうになるくらいの勢いで私に近寄ってきた彼は肩で息をしているし額に汗がにじんでいて、前髪も少し乱れている。


「お嬢様、無事で……ハァッ……よかった」


掠れた声が不思議と色っぽいと感じたのはたぶん私だけじゃない。


教室のあちこちから女子生徒達の淡いため息が聞こえた。


だけど、今はそんなこと言ってる場合じゃない。


「紫音、私は大丈夫だよ」


どう見ても取り乱している様子の彼を落ち着かせようとその腕にそっと触れた。


「どうしたの?紫音、そんなに慌てて」


「連絡をもらって」