「もう夕方?」

一体どのぐらい走ったのだろう
気が付いたら、誰かの家だった。

「ちょっと待ってね」

携帯電話を傾げて、カーテンを閉める。

「あっ今着いたんだ。例の。来れる? 分かった。」

黒い革ジャンにデニムという出で立ち
流行りのデザインのサングラス

「あっ興奮冷めやらなかった?」

黙ってしまった。

「ねえ、君って不感症? ねえ?」

ねえとかにゃあとか。

「傑作ー」

(ぬけさく)

「しかし遠いよね、家どこ?」