婚約者の浮気相手は母でした。

 私は、お父様の部屋まで来ていた。
 お父様が結婚についてどう思っているか、聞きに来たのである。
 メイド長の力になりたい。私の中には、そのような想いがあった。故に、それとなく結婚などについて探ろうと思ったのだ。

「婚約か。確かに、それは由々しき問題であるとは思っている」
「そうですよね……」
「しかし、相手が見つからないことにはどうすることもできないからな……」

 とりあえず手始めに、私は私自身の婚約について聞いてみた。
 結果として、リビルト様との婚約は破談になった訳だが、それから私がどうなるのかはまだまったく決まっていないらしい。

 その理由は、色々とあるだろう。
 お父様は決して口に出しはしないだろうが、私は所詮どこの馬の骨かもわからない女だ。そんな私を婚約させるべきなのかどうか、お父様も悩んでいるのだろう。