婚約者の浮気相手は母でした。

 どうやらメイド長は、まったく自分の想いを隠せていなかったらしい。立場上、私達よりも深く付き合うメイド達には、ばれてしまっているようである。

「えっと……私達は、今日初めてその事実を知りました」
「ああ、そうなんですね」
「それで、メイド長を説得して、少し前向きに考えてもらえるようになったとは思うんですけど……」
「なんと、進展したんですか?」

 私の言葉に、今度はポーリアさんの方が目を丸くしていた。
 恐らく、彼女は結構前からメイド長の想いを知っていたのだろう。それであのお堅いメイド長の心が動いて、驚いているといった所か。

「いやはや、やっぱり旦那様が離婚したというのが大きいのでしょうかね……」
「ええ、そうなのではありませんか? というか、お母様がいた内には進展なんて無理でしょう?」