婚約者の浮気相手は母でした。

「少し驚いたな。まさか、メイド長がお父様のことが好きだったなんて……」
「ええ、まあ、彼女も隠していたみたいだから、わからなくて当然だったのではないかしら?」
「そうか……それは確かにそうかもしれないね」

 メイド長が仕事に戻った後、私とイルルドはお茶会を再開していた。
 議題は当然、先程の出来事となった。大分落ち着いたが、それでもあれは私達にとって衝撃的な出来事だったのである。

「えっと、メイド長とお父様は何歳差なんだったけ?」
「え? 多分……七か、八くらいじゃないかしら? えっと……イルルドは、年齢差が気になっているの?」
「ああいや、別にそれが悪いと言っている訳じゃないんだよ。少なくとも、僕はそう思っていない。ただお父様は、結構気にしそうだなって……」
「ああ……」

 イルルドの言葉に、私は思わず唸っていた。