婚約者の浮気相手は母でした。

「それでもう一方の手紙は?」
「ああ、これはお母様からの手紙よ。でも、これは読む必要はないわ」
「そうなのかい?」
「ええ、少なくとも私はこの手紙に興味がないわ。だってお母様は、私の本当の父親について、なんて書いているのだもの」
「ああ……」

 もう一方の手紙は、お母様からのものだった。
 それは恐らく、私が気になっているかもしれないと思って送ってきたものだろう。
 ただそれは、私にとってまったく興味がないことだった。故に内容には目を通していない。

「まあ、それ以外のことも書いているのかもしれないけれど、読みたくはないわね。だって、私の父親はただ一人だもの」
「……そうだよね」

 私はお母様からの手紙を、ゴミ箱に捨てた。
 彼女には悪いが、それは私には必要がないものだ。知りたいとはまったく思わないし、余計な知識を頭に入れたくないので、読まずに捨てるとしよう。