婚約者の浮気相手は母でした。

「甥っ子さんも驚いているだろうね。いや、前々からそういう話はあったのかな?」
「どうでしょうね? まあ、何はともあれ、リビルト様はもう侯爵家には帰れないわね……」

 好き勝手した結果、リビルト様はエルヴィー侯爵家から追い出されることになった。
 それは、すごいことだ。ただ、彼のやったことを思うと当然の報いであるとも思う。

「もっとも、彼のことだから、その口八丁で女性の元にでも転がり込むんじゃないかとも思ってしまうけれど……」
「どうかな? 結構、ひどい怪我みたいだけど……」
「ああ、後遺症とかが残るかもしれないわね。あんな所から飛び降りるなんて、本当に馬鹿なことをしてしまったわね……」
「怖かったんだろうけど、もう少し考えるべきだったかな?」

 二階から飛び降りたリビルト様は、ひどい怪我を負ったらしい。話によると、どうやら上手く着地することができなかったようだ。
 あの時の彼は、明らかに冷静ではなかった。きちんと着地するというのは、無理な話だったのかもしれない。